ゼロ・ウェイストアカデミー 活動報告

ゼロ・ウェイスト認証「モデル店舗」認証と取り組み始動!

2017年7月に公募を行った

ゼロ・ウェイスト認証制度の「モデル店舗」。

 

NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーは

平成28年度、上勝町とともにゼロ・ウェイストに取り組む事業所を

独自の基準で公的に認証する「ゼロ・ウェイスト認証制度」を設立し、

この制度に則って審査をした上勝町町内の飲食店6店舗を

初めての「ゼロ・ウェイスト認証店」として認定いたしました。

 

当認証制度をより広く活用いただき、

全国の店舗が積極的にゼロ・ウェイストに取り組めるようになる

先駆けとして、ゼロ・ウェイスト認証制度「モデル店舗」を全国より公募した結果、

複数の店舗からご関心をいただき、実際に応募をいただいた長崎県雲仙市小浜町にある

刈水庵」にモデル店舗となっていただくことになりました。

 

オンラインでのヒアリングや資料の提出にご協力をいただいた後、

2017年12月にはNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーの理事長 谷晶(坂野晶)が

実際に現地を訪問し、ごみ監査や仕入れ品の容器包装及び素材や産地の調査を行い、

ゼロ・ウェイスト認証の審査、そしてこれから取り組んでいけることを考えるワークショップを行い、

実際に2018年に向けた取り組みのアクションプランをつくりました。

 

この「モデル店舗」の醍醐味は、この取り組みのプロセスを公開し、

他のお店にも「この取組ならできるかも!」と思ってもらえるようにすること。

そのために、この記事にてまずは

・2017年12月時点で刈水庵が取得したゼロ・ウェイスト認証項目

・2018年にかけて刈水庵が取り組む予定のアクション一覧と該当する認証項目

についてご紹介したいと思います。

 

 

 

【刈水庵の取得したゼロ・ウェイスト認証項目】

2017年12月時点での審査を経て、

刈水庵は "LOCAL REUSE" のゼロ・ウェイスト認証を取得しました!

 

"LOCAL REUSE" は、地域内でそのままにしておくとごみとなってしまうような資源を有効活用し、

再利用を通じ、地域内のごみの発生抑制・資源循環に取り組んでいる」ことに対して認証されます。

 

刈水庵は、空き家であった築80年の古民家をリノベーションし、

店舗として活用していることが評価され認証されました。

刈水庵が生まれるまでのストーリーはお店のサイトで紹介されていますので、

ぜひ合わせてご覧ください。

 

 

こんな素敵な外観・内装の刈水庵。実際に理事長が現地で行った

ゼロ・ウェイスト認証の審査と調査の内容・様子もご紹介します。

 

【ゼロ・ウェイスト認証審査】

審査・現地調査では実際にどんな内容を確認していくのか、一挙公開します!

 

1.ごみ監査

実際に1週間分の店舗から出たごみを置いておいていただき、

内容の確認を行いました。

「減らせそうなごみ」「資源化できそうなごみ」を調べるとともに、

その地域の自治体の分別に則り、分別・処理できているかを確認します。

生ごみ約1.5kg、ティッシュや紙ナプキンが約115g、容器包装プラスチックが約33g・・等々

組成調査(どんなごみがどれだけ出ているかの調査と記録)を行っています。

 

この調査内容は、認証の前提条件となる

「適切なごみの分別・資源化を行っている」かどうかの審査を行うとともに、

もっと取り組めそうなごみの削減施策へのアドバイスを行うことに活用します。

 

↓ごみの内容を調べ、量りで重さを計量している様子。

事前に「生ごみは別に保管しておいてください」とお願いしているため、

ごみの監査といっても比較的綺麗に行えるんですよ。

 

 

2.仕入れ品目調査

(1) 仕入れ品目一覧データの確認

事前に、店舗で仕入れる食料品・資材それぞれの一覧と仕入れ先情報、産地情報、

仕入れ頻度、仕入れ単位・数量、仕入れ時の容器包装の状態、販売・使用形態、

発生するごみと処理方法などをシートに記入していただきました。

その情報をもとに、実際に店舗にて現物を確認しました。

 

(2) 仕入れ品の容器包装・素材の確認

現物の確認をする際に、その包装状態や包装素材も併せて確認し、

「個包装を減らしてバルクでの仕入れができないか」

「使い捨てではなくリユースできる素材に変えられないか」

などを1品目ごとに検討・話し合いました。

ここでは、認証項目のうち"RETURNABLE"を検証しています。

 

(3) 仕入れ品の産地の確認

さらに、認証項目の"LOCAL FOOD"の審査のため、

各食品の産地についても現地でヒアリングを行うとともに、

パッケージの表示から確認を行いました。

一部商品については、実際に仕入れ先にも足を運び、

製造者に原材料の産地を伺ったり、その他候補となるような代用品が無いかも

確認しました。

この「地域内」の範囲は、認証審査を行う店舗のある地域において

一般的な食品流通上の「地元産」を現地でヒアリングの上決定しています。

今回の刈水庵については、「島原半島」を対象地域としました。

 

↓地元のスーパーで地元産の食品候補を調べている様子

 

3.提供サービス品の調査

認証項目の"IDEA"審査の一環として、店舗で提供する無料サービス品や

料理・飲物等の提供方法について確認しました。

具体的な無料サービス品の品目は、ストロー、カトラリー、割り箸・爪楊枝

おしぼり、紙ナプキン、シュガースティック・シロップ、コースター、

小分けの調味料、レシート等です。

これらを現状どれだけ「使い捨て」で提供しているか、そして今後のために

「リユース品」あるいは「提供しない」という選択肢は取れないか、を

調査・話し合いました。

 

4.情報発信の調査

ゼロ・ウェイスト認証への申請時点ですでに行えている店舗は非常に少ないのですが、

"OPEN for ACTION"の認証項目審査として、

「店舗のゼロ・ウェイストへの取組を情報発信しているか」

「利用客が店舗でのゼロ・ウェイストの取組に参加できる仕掛けがあるか」

を確認しました。

 

5.テイクアウト品の調査

"BYO"の認証項目審査のため、テイクアウトサービスあるいは

持ち帰りできる商品の販売を行っているかを確認しました。

行っている場合は、そのテイクアウト時・商品購入時に

利用客が「マイボトル」や「マイ箱」などの容器を持参すれば、

それらに入れての持ち帰りが可能か、あるいはデポジット制での

容器の回収・リユースを行っているか、

地域内でリサイクルできる素材を使用しているか等、

段階別で取り組んでいること・取り組めそうなことを確認しました。

 

6.地域内資源活用・建物の確認

認証項目のうち、最も各地域においてカスタマイズしていく項目が

"LOCAL REUSE"です。

これは、地域内でそのままにしておくとごみとなってしまうような資源を有効活用し、

「再利用を通じ、地域内のごみの発生抑制・資源循環に取り組んでいる」ことに対して

認証を行うのですが、今回の刈水庵のある長崎県雲仙市小浜町の「刈水地区」は

小浜町の中では空き家が増えている地域とのこと。

そのため、自治体や地域全体での様相は異なるものの、上勝町で導入した基準と同じく、

「空き家や古い建具など、そのままにしておくとごみになってしまう可能性の高い

『ポテンシャル粗大ごみ』を上手く店舗で活用している」ことを基準として評価しました。

 

 

以上の現地調査・審査を経て、審査終了後には

「ゼロ・ウェイスト認証制度 審査結果通知書」を発行し、

店舗には「すでに取り組んでおり、評価された点」

「より取り組めると良いと思われる点(アドバイス)」等が

通知される仕組みになっています。

刈水庵に向けて実際に発行した通知書はこんな内容でした。

 

 

【これからの取り組みとアクションプラン設計】

審査内容・通知書をもとに、これから取り組めることを

刈水庵オーナーの城谷さん、店長の尾崎さんと話し合いました。

実際に取り組んでいけそうなこととして、以下のアクションが挙げられました。

 

■"LOCAL FOOD"項目取得に向けて

.魁璽辧爾帽腓Δ菓子の代用品を検討する(アクション優先度:高、タイムライン:中期)

ドリンクとセットで提供しているお菓子について、基本的に地域のお店からの仕入れを

行っているというこだわりはある。しかし、その原材料まで必ず地元産を追及したわけではなかった。

実際には、紫芋クッキーや湯せんぺい、塩ミルクジェラートは主要な原材料も地元産であるため、

オレンジピールについて、地元産の食材を生かした代用品への変更検討を行う。

 

▲レーの原材料を近隣生産者へ(アクション優先度:高、タイムライン:長期)

現状カレーについては店長の個人事業として行っており、少量を価格基準で仕入れている。

しかし、特に米と卵については、近隣地域での生産者との繋がりはあるため、今後相談する。

また、野菜についても直売所などを積極的に利用し、地元産の仕入れに取り組む。

 

■"RETURNABLE"項目取得に向けて

ジェラート仕入れ容器をリターナブルに(アクション優先度:高、タイムライン:短期)

仕入れは小ロットのものが多く、なかなか容器削減が難しいが、

その中でも取り組めそうなものとして、ジェラートの仕入れ時の容器は現在破棄しているが

再利用可能そうな強度があるため、仕入れ先に次回持ち込んで、回収・再利用が可能かを確認する。

 

づ鬚擦鵑擇い了兎れを持ち込み容器に(アクション優先度:高、タイムライン:短期)

湯せんぺいは仕入れ先に容器を預けておき、受け取り時に空の容器と交換する形式であれば

協力がもらえそうであるため、次回から相談・導入してみる。

 

■"IDEA"項目取得に向けて

ゥ好肇蹇芝兒漾淵▲ション優先度:高、タイムライン:短期)

必ずしも必要ではないため、子どもなどニーズがある場合を除いては提供しない方針に変更。

特に一部使用しているグラスは、グラスの飲み口の口当たりにこだわりがある食器であり、

むしろストローを使わずに体感してもらえる方がより良い。

 

Δしぼりを出さないトライアル実施(アクション優先度:高、タイムライン:短期)

現地調査を行った当日からトライアルでおしぼりを提供しないことを始めてみた。

今後も利用客の反応を見ながら試して継続していく。

店舗としては、手洗い場所が小さいため、完全に廃止した場合の手洗い場提供などの

代替案提示が難しいかもしれないが、欲しいと言われた場合のみ提供するという形式であれば

対応可能ではないか。

おしぼりは使用後もテーブル上での見栄えが悪く、シンプルに、洗練された場所であり

「無駄なものを提供しない美学」を持つ刈水庵としても、無い方が美しいのではないか。

 

爪楊枝をリユースに(アクション優先度:高、タイムライン:中期)

カレーに付けるピクルスなどで使用する爪楊枝について、リユースのものに変更する。

 

■"OPEN for ACTION"項目取得に向けて

┘瓮縫紂爾悗離璽蹇ΕΕДぅ好伴茲蠢箸澆侶悩棔淵▲ション優先度:高、タイムライン:中期)

他店舗の事例をもとに、掲載方法を検討する。

 

利用客が参加できる仕組みの検討(アクション優先度:低、タイムライン:長期)

実際に他の取組を実践する過程で、利用客が積極的に参加できる仕組みについて

随時検討していく。

 

■"BYO"項目取得に向けて

コーヒー豆の持ち帰りパッケージ持ち込み制度の検討(アクション優先度:低、タイムライン:長期)

刈水庵の隣(同じ敷地内)にある焙煎所でコーヒー豆の販売も可能。

オーナーが違うため相談が必要だが、コーヒー豆の販売についてはリユースできる容器提供や

パッケージの持ち込みについて検討の余地あり。

 

デザインマーケット(年2回)でデポジットカップ導入の検討(アクション優先度:低、タイムライン:長期)

年2回、刈水庵が中心となり刈水地区にて開催している

「刈水デザインマーケット」で提供するドリンクについては、

これまで使い捨て容器を使用してきたため、次回以降でリユースできる容器での提供と

デポジット制による回収について検討する。

 

 

その他、ディスカッションの中で出てきた刈水庵のフィロソフィーに通じる

考え方や取り組みをご紹介します。

刈水庵のオーナー、城谷さんはデザイナーであり、刈水庵の1階はギャラリーになっているとともに、

刈水庵で使用される食器なども城谷さんデザインのもの。

 

「カレー皿などには、一般的にB級品と呼ばれるようなもの、例えば色が混ざってくすんでいたり、ほくろのような点が付いていたり・・ そういう普通は破棄されてしまうものを使っている。」

「流行に関係なく美しいものであれば良い。100年経っても綺麗に磨いて使おうと思われるものを作る、使う。」

「セカンドハンドマーケットでは、質の良いまだ使えるものを、それが好きな人の手に渡していくことがしたい。

『美しくする』『洗練された場所にする』『素敵なものをリユースする』がキーワードになる。」

「地元の器を使うこと。リユースだけでなく、地元の陶芸などを積極的に使っていくことにも取り組みたい」

 

これからは、刈水庵としての取組はもちろん、小浜町や雲仙市、周りの地域を巻き込んで

一緒に取り組んでいける仲間を増やしていくことにも、徐々にアプローチできたらと考えています!

 

また、今回の現地調査の様子、そして刈水庵のゼロ・ウェイスト認証取得について

徳島新聞にて掲載いただきました。

全文はオンライン記事をぜひご覧ください!

 

今後とも、刈水庵の取組は随時アップデートしていきますので、

ぜひ引き続きご覧くださいね!


この記事へのコメント
コメントする








   

カテゴリー

最近の記事

月別アーカイブ

最近のコメント

カレンダー

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< January 2018 >>

リンク

ブログの記事を検索


ゼロ・ウェイストアカデミーTOPへ